青森県八戸市にある「八戸ポータルミュージアム」通称「はっち」に行ってきました。

はっちはJR本八戸駅から徒歩11分、八戸市庁や、劇団四季の公演やディズニーオンクラシックなどが行われる八戸市公会堂の徒歩圏にある施設です。私が立ち寄ったのも八戸市内で用事があり空いた時間を埋めることが目的でした。しかし、施設の思わぬ充実っぷりに驚くことになります。そう、それはわざわざ文字に残したくなるほどに!

第一の驚き「市民の生活に溶け込んでいる」

八戸ポータルミュージアムというくらいですがら、観光客向けに作られた施設だとばかり思っていたのですが、施設内は地元客で賑わっていたのです。賑わっていたと行っても騒がしい様子ではありません。そこはスタバか図書館のように勉強する学生やミーティングを行う社会人、そして親子連れであふれていました。いわゆるジャスコのような施設ではなく、ちょっとしたカフェやギャラリーがミュージアムの展示物と共存していたのです。
5階建の施設の1階にはイベントホールが設置され、各階からイベントの様子を楽しめるような作りになっており、イベントも頻繁に開催されているようです。これらのイベントは観光客向け…というよりは近隣住民の来場者数UPを目的としたような催し物が予定されていました。わざわざイベントに東京から八戸にくることはないけれど、こんな施設が近くにあるなんて八戸市民羨ましい!と思わぬ唸ってしましました。

第二の驚き「こどもはっち」

今回のはっちへの訪問はこどもはっちが目的。こどもはっちは未就学児向けのキッズスペースで、未就学児の利用は無料、小学生以上と保護者は100円で利用できました。(混雑時には1時間の利用制限あり)

施設内は、裸足で遊べるナチュラルな素材で作られていました。
元気なキッズとよちよちベビーとでエリアが分かれているので、安心して子どもを遊ばせることができます。



全力ごっこ遊びができるごっこ遊び用のカフェや「ひみつきち」、昔あそびやお茶会を楽しめるスペースが用意されています。パーソナルな空間を持ち集中して遊びを行えること、その空間にやってきた初めてのお友達ともスムーズに遊ぶことができる雰囲気作りが特徴的でした。
図書館も併設しているので、読み聞かせをする親子や読書をする小学生の姿も見られました。



世界中から厳選された知育玩具、自然素材のおもちゃの他に、手作りのおもちゃもおかれていました。
特にすごい!と思ったのは、きせかえ人形です。
きせかえ人形は人型に切られた木材の間にハギレを挟むことで、きせかえごっこをすることができるおもちゃです。実際に子供が着替えることも立体的な人形を着替えさせることもできませんが、それらのアイテムを導入するもののメンテナンスが行き届かず、ボロボロの服を置いている施設が日本中にはたくさんあります。
小さい子でも簡単にきせかえができること、ハギレを用意すればさまざまな柄の服を着せられること、そしてなにより清潔感を保ち続けられることは素晴らしいアイテムだと感じました。



八戸ポータルミュージアムの一部なので、こどもはっちの内装にも八戸の文化を学ぶアイテムが飾られています。写真はせんべい汁で話題になった南部せんべいに描かれる松などの模様です。



子どもはこどもはっちに吸いこまれるように入場し、最後まで帰るのを嫌がるほど熱中して遊んでいました。入場したすべての子どもが満足できる状態を保つために、混雑時(といっても芋洗い状態ではない)には入場制限をおこなっているようです。
おもちゃの片付けも自発的にできるような工夫もされているのですが、少しでも汚れがあるとスタッフの方が対応されていて、建造物だけではなくメンテナンスも行き届いたキッズスペースだと感じました。
こんな素晴らしい施設が身近にある八戸の子ども達が羨ましいです。

第三の驚き「想像以上に八戸資料館」

八戸ポータルミュージアムということは聞いていたのですが、簡素な建物の壁沿いにガラスケースにいれられた街のジオラマでもあるんだろうwと思っていた私を殴りたい。まさにミュージアム。八戸の歴史と文化を、部屋全体をつかった立体展示や近代的なデジタルメディアを使用して紹介していたのです。
前項に記述したとおり、私はこどもはっちに時間潰しにきたのです。それなのに!思わず見てしまう仕掛けがアチラコチラにあるのです。へぇー!と1度でも思ってしまったら最後、次に視線をうつした先にはわずかに生まれた知的好奇心を広げるアイテムが・・・!
これは何の罠なのか、時間がどんどん奪われていく、どんどん八戸の知識が、心地よい形で、私や同行した子どもに入ってくるのです。
帰宅後に気づいたのですが、はっちにはガイドのボランティアスタッフが常駐しており解説をしてもらうこともできるそうです。



第四の驚き「豊富なものづくりコーナー」

なぜものづくりコーナーが豊富なのかは、施設内を歩いていると自然に頭にはいってきます。恐ろしいはっち、恐ろしい八戸市。
施設のあちこちに用意されたものづくりコーナーが観光客向けなのか地元民向けなのかはわかりませんが、少額・短時間で達成感のあるものを楽しく作れる、実に効率がいい体験プログラムがそろっていました。もちろん、子どもでも作ることができるものもあります。




はっちの思わぬ楽しさに驚いた3時間でした。
あまりの興味深さに予定していた滞在時間を伸ばし、その影響で有名な観光地八食センターや蕪島にいけなくなってしまったのはまた別の話。もともとの目的が空いた時間を埋めるためだったので、私の滞在時間は短時間でしたが、ゆったりすごせば食事時間をのぞいても、たっぷり5−6時間は遊べると思います。もちろん、子どもも一緒に。
八戸駅には売っていない、おしゃれなお土産も販売していていたのも魅力に感じました。 

八戸にお越しの際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。